エンジニアにとって、ビジネススキルは面倒で、あまり近寄りたくないものかもしれません。しかし、ビジネススキルは自分の技術をさまざまな仕事に適用するための助けになるスキルです。できる仕事の幅と深さを広げられますので、できるところから取り組んでみましょう。
ビジネススキルとは
ビジネススキルというのは、社会に出て仕事を進める時に、高いパフォーマンスを発揮するために必要なスキルのことです。
ビジネススキルには社会人として当然持っていなければならない常識レベルのスキルから、業種や職種、役職などによって異なるスキルがあります。
エンジニアは専門の技術スキルを重視しがちですが、ビジネススキルを持っていると評価が高くなり、仕事を進めやすくなります。
ビジネススキルの重要性
ビジネススキルは、社会で仕事をしていく上で必須のスキルです。
エンジニアとして、技術力は当然ですが、それ以外にも商務を円滑に進め、求める結果を効率よく出していくためには、多くのビジネススキルが必要です。
エンジニアの方はテクニカルスキル以外を軽視しがちですが、ビジネススキルを磨くことで本来の技術を活かす仕事を現在考えている以上の範囲まで広げていくことができます。
エンジニアに必要なビジネススキル8選
エンジニアに必要なビジネススキルは、専門の技術に関するテクニカルスキルに加えて、通常仕事に携わる人間全員が持つべきビジネススキルすべてです。
技術力以外のビジネススキルには、他人とコミュニケーションをとり折衝する能力や情報収集力、わかりやすい資料を作成する能力や会計知識などのスキルを含みます。
ここではエンジニアに必要なビジネススキルについて、細かく見ていきます。
エンジニアに必要なビジネススキル1:技術力
エンジニアに必要なビジネススキルの第一は技術力です。
技術力が大したことがなければ、他のどんなビジネススキルがよくても、エンジニアと呼んでもらうことはできません。
専門分野についてより深い知識を身につけることは必要ですが、関連する周辺の技術についても手を広げていき、経験のない分野について聞かれたら積極的に勉強していくことで、エンジニアとしての信頼を勝ち得ていくことができます。
エンジニアに必要なビジネススキル2:コミュニケーション力
エンジニアに必要なビジネススキルの2番目はコミュニケーション力です。
どれほど高い技術力を持っていても、顧客が本当に必要な要件を聞き出すことができなければ、満足度の高いソリューションを提供することはできません。
場合によっては全く見当違いの解決策を提示して、二度と付き合いたくないと思われてしまう可能性もあります。
エンジニアに必要なビジネススキル3:ファイナンシャルスキル
エンジニアに必要なビジネススキルの3つ目はファイナンシャルスキルです。
エンジニアには会計や購買の知識など不要に思われますが、会計システムや購買管理、在庫管理などの知識を持っていれば、顧客が求める機能を実現する時に最適な解を提案することができます。
それほど深い知識はなくとも、基本的なルールを理解しているだけで、顧客からの信頼は大きく上がります。
エンジニアに必要なビジネススキル4:文章力
エンジニアに必要なビジネススキルの4つ目は文章力です。
顧客に提案をする時に必要な仕様書やプレゼンテーション資料をわかりやすくするためには、論理的で簡潔な文章を書く力が必要です。
小説などのようにしゃれた言い回しはかえってわかりにくくなります。そっけないくらいにシンプルで、必要な内容が明確に示されているのがエンジニアとしてのよい文章です。
エンジニアに必要なビジネススキル5:情報収集力
エンジニアに必要なビジネススキルの5つ目は情報収集力です。
情報収集の仕方はいろいろありますが、書籍やインターネットの関連サイト、その業務について知識のある同僚、コミュニティなど複数の方法を知っていると、必要な情報に早くたどり着くことができます。
文字や画面で見るよりも内容を知っている人に聞くと、本当に注意すべき情報や誤って理解しがちなところを教えてもらえるので、正しい情報を得ることができます。
エンジニアに必要なビジネススキル6:課題解決力
エンジニアに必要なビジネススキルの6つ目は課題解決力です。理論がどれだけ優れていても、目の前にある課題を解決できなければ何の役にも立ちません。
課題には表面上のソリューションと、その背後に隠れている真の原因があります。エンジニアとして仕事をする場合は、提示された課題の真の原因を見つけて、課題を根本的に解決しなければなりません。
エンジニアに必要なビジネススキル7:プロジェクト管理能力
エンジニアに必要なビジネススキルの7つ目はプロジェクト管理能力です。
プロジェクト管理を理解していると、どんな小さな単位の仕事でも、プロジェクト管理で行う段取りに順じて漏れなく正確に進めることができます。
規模が大きくなるほど見落としや検討漏れが発生する確率が増えますので、プロジェクト管理の手法でタスクを網羅的に進めることで、手戻りや不具合を防ぐことができます。
エンジニアに必要なビジネススキル8:誠実さ
エンジニアに必要なビジネススキルの最後は、誠実さです。
エンジニアの守るべき誠実さは、仕事の内容に対して嘘やごまかしをしないことや約束した期限を守る、あるいは守れる期限を提案することで示すことができます。
自分のプライドを守るために、ミスや誤った情報を公表せずに隠してつじつまを合わせようとすると、ほとんどの場合周りは薄々わかってしまうので、顧客やスタッフの信用を失うことになります。
エンジニアの職種やレベルによって求められるスキルは変わる
エンジニアに求められるビジネススキルは多岐に渡りますが、職種やレベルによって求められるスキルは違います。
先に挙げた誠実さはすべてのエンジニアに求められるものですが、プログラムエンジニアであればプロジェクト管理やファイナンシャルスキルの必要性は低いでしょう。
コンサルティングエンジニアや上級SEであれば、多くのビジネススキルを持っているほど能力値が上がります。
高い技術力は全エンジニアに必須
ビジネススキルは多く持っているに越したことはないのですが、エンジニアを名乗る場合に譲れないスキルがあります。
エンジニアはすべてのビジネススキルの中でも、技術力を持っていることが絶対条件です。
さまざなな技術の中で、これは他人に負けないというスキルを増やしていくのは、エンジニアとして当然のキャリアアップの目標です。
ビジネススキルを身につける方法
エンジニアが技術力を高めていくのは当然のこととして、やはり多くのビジネススキルを身につけていくと、対応できる仕事の幅が広がります。
しかしビジネススキルはどのようにして身につけていけばよいのでしょうか。
ここでは、エンジニアがビジネススキルを身につける時に有効なやり方をいくつかご紹介します。
アウトプットする
ビジネススキルを身につけるために必要なのは、そのスキルを実際に使ってみることです。
書籍やウェブサイトで知識を得ても、実際に使ってみなければ自分のスキルとして身につけることはできません。
ビジネススキルを実際のタスクに適用して実際にアウトプットをしてみると、自分のスキルレベルを客観的に見ることができるので、エンジニアとして次にするべきことがわかり、スキルアップの道筋を見つけることができます。
上司から学ぶ
獲得したいビジネススキルについて、上司にお願いして学ぶのもよい方法です。上司が最も望むのは、自分の部下が能力を上げて、自分のチームの総合力を上げて生産性をアップすることです。
エンジニアとしてのビジネススキルを向上させたいという部下は、上司にとって望ましいので、喜んで教えてもらえます。
やり方が古かったり、効率が悪かったりする場合もありますが、教えてもらった結果を受けて自分なりに改善していきましょう。
とにかく興味があることを学ぶ
どんなスキルでも、いやいや覚えるのはもっとも効率の悪い学習方法です。
自分の仕事に合わせて、そのビジネススキルを向上させることで自分のタスクレベルを上げることができるものを学んでいきましょう。
ただ単におもしろそうなものを学ぶということではなく、自分の商品価値を上げてくれるものという観点で興味を持つと、苦手な分野でも取り組みやすくなります。
エンジニアに必要なビジネススキルを身につけよう
エンジニアにとって、技術力はもちろん自分のコア・コンピタンスですが、それを広く活用できるようにするためには、ビジネススキルを持つことが重要です。
ビジネススキルを上げることで、顧客が持っている知識を学び取り、これまでに持っていなかった知見や解決力を得ることができるようになります。
さまざまなビジネススキルのレベルをアップして、エンジニアとして求められるレベルをさらに上げていきましょう。